中山間地域等直接支払交付金の活動事例

地域の広域化による共同取組活動の躍進

(北海道石狩市 浜益中山間地域等直接支払運営協議会協定)

〇浜益地区の5集落が連携した広域集落協定による農業機械の共同利用や共同取組活動による農業生産活動や農産物の加工・直売、農村交流活動を展開し、地域の活性化に取り組む。

面積 247.59ha(田、畑)
交付金額 1,995万円(個人配分70%、共同取組活動30%)
協定参加者 農業者56人、農事組合法人 百笑一喜
協定開始 平成12年
  • 〇本地区は、北海道石狩市北部に位置しており、全域で傾斜地が多く、水稲を主体とした果樹や和牛生産など多様な経営を行っている。
  • 〇高齢化による担い手不足、集落活動の減少で農地の維持・管理が困難になることを懸念。
  • 〇幌、川下、柏木、実田、御料地の5集落と連携し広域の協定を締結。平成12年度から本制度を実施し、本地区で生産している「浜益米」のブランド強化や観光農園によるグリーンツーリズムなど農業生産活動を継続実施する体制づくりに努めている。


集落協定の総会


共同作業(稲わら回収)

取組の概要
  • 〇本制度を活用し、平成14年度からトラクター、畦塗り機械等を導入し、水田からの稲わら回収や畦の補強など農作業の共同利用化の推進に取組み、それを契機として地域に農地所有適格法人が設立するなど将来に渡り農地を維持する体制を確立。(協定面積:H27241.1ha→H28247.59ha)
  • 〇米、とうきび、キャベツなど市内の農産物直売所で店頭販売し、地元の農産物のPR活動を実施。また、水稲は、「浜益米」として生産し、インターネットを活用した直売やふるさと納税の返礼品にするなどブランド化に向けた取組みを行っており、高付加価値化による農業所得の向上を目指す。
  • 〇JA婦人部や各自治会婦人部等と連携し花壇など景観作物の移植や海浜美化事業等を実施することで地域の農村景観を保全しグリーンツーリズムの推進に寄与。


中学校の花壇に花を移植


浜益産米

機械導入による広域的な農地の維持・管理

(北海道紋別市紋別西部集落協定)

〇良質粗飼料の確保を目的に導入した農作業機械を共同利用し、計画的な自力草地更新を推進することで、自給飼料に立脚した持続的な酪農経営を確立する体制を構築。

面積 748.0ha(草地)
交付金額 12,958千円(個人配分65%、共同取組活動35%)
協定参加者 農業者28人、農地所有適格法人1法人
協定開始 平成12年度
地域の現状
  • 〇当地区は、北海道北東部のオホーツク海沿岸に広がる冷涼な地域であり、草地型酪農を主体とした営農を展開。
  • 〇地域における担い手の高齢化等が深刻化する中、耕作放棄地の発生、農業生産活動の停滞や多面的機能低下などを懸念し、紋別市内渚滑町が第1期対策(平成12年)から本制度を実施。
    また、第3期対策(平成22年)からは、上渚滑町一部地域を含め広域的な活動に至る。
  • 〇耕作放棄地の発生を防止するため、農業者の経営規模拡大等を推進し、農業機械の共同利用化の支援など農作業の受委託組織や農地所有適格法人の育成に向けた取り組みを実施。
  • 〇農業用廃棄物(農業用廃プラスチック、家畜糞尿)の適切な回収や撤去など自然環境・農村景観保全活動を実施し、集落の農村景観の維持の取り組みを実施。


協定農用地


農業用廃プラスチックの回収

取組の概要
  • 〇本制度を活用し、第2期対策(平成17年)から良質粗飼料の確保を目的に、播種作業機械を導入し農作業の共同化の推進に取り組んだ結果、協定参加者などで構成する粗飼料収穫組織の農作業共同利用面積が拡大し、飼料自給率の向上・農作業の効率化はもとより、労働力の軽減にも寄与。(農作業の共同利用面積H17 192ha→H28 348ha)
  • 〇粗飼料収穫組織の共同利用面積拡大により経営農地面積の拡大が可能となり離農跡地など協定参加者へ集積が図られ地域農業の維持に貢献。(第3期集積面積1118ha)
  • 〇また、適期に播種・収穫作業の実施や計画的に草地更新が出来るようになったことから牧草の収量の増加や良質粗飼料の生産確保により購入飼料などの生産コストが抑えられ農業所得向上に貢献。
  • 〇集落全体の農村景観の美化を目的に、農業用廃プラスチックの適正処理や、町内会と協力し、集落内8地区の集会施設周辺の清掃や花壇整備を実施。


農作業機械の共同利用


集会施設の景観美化活動

他府県での販売促進活動などによるブランド化の推進

(北海道北竜町北竜町中山間地区協定)

〇協定農用地で生産されたブランド米「ひまわりライス」をふるさと納税の特産品としたPR活動や、道外消費者を対象とした販売促進の取り組みを実施し、収益性の向上を目指す。

面積 1,328ha(すべて田)
交付金額 5,677万円(個人配分50%、共同取組活動50%)
協定参加者 農業者151人、農地所有適格法人12、生産組合1
協定開始 平成12年度
地域の現状
  • 〇当地区は、北海道のやや中央、空知総合振興局管内に位置し、雨竜川、恵岱別川、美葉牛川流域に広がる水田・畑地帯であり、過疎地域に指定されるなど、平地地域と比べ生産条件の格差が大きいことから、平成12年度から町内20集落が本制度を実施。
  • 〇本制度当初から実施してきたが、高齢化進行による担い手不足により、共同活動への参加者が減少。将来に向け農地の維持管理が困難になることを危惧し、平成17年度から20集落を一つに統合し全町を活動範囲とした広域の協定を締結。
  • 〇北竜町は、ひまわりが重要な観光資源となっており、ひまわりの名前を付した農産物(ひまわりライスなど)のブランド化に向けた取組みなど農家全体の生産性や収益性向上を目指している。


超急傾斜地の様子


沖縄でのPRの様子

取組の概要
  • 〇水稲を作付している協定参加者全員が、環境に配慮した米作りを行う北竜ひまわりライス生産組合に加入し、本制度を活用し、除草機等の購入、土壌診断など行い農薬を慣行栽培の半分に減らした農薬節減米の作付拡大に貢献。ブランド米「ひまわりライス」として生産販売し高付加価値化の実現に寄与。(協定面積H26 1,328ha→H28 1,329ha)
  • 〇第4期対策から超急傾斜取組加算を活用し、超急傾斜地などで生産された「ひまわりライス」をふるさと納税の特産品として、HP上でPRを実施しているほか、道外消費者への販路拡大のため、大阪、沖縄などに赴きスーパー等で生産者が消費者へ直接、「ひまわりライス」の魅力を伝えブランド力の強化に向けた取組みを実施。
    (販売数量H26 2,009t→ H28 2,549t)
  • 〇協定農用地で生産される農産物を鹿による食害を防止するため、電気柵の点検や電線など補修を実施。


ひまわりライス


電気柵の補修の様子

事務組合による広域集落の事務処理の集約化

(北海道別海町集落協定)

〇広域の集落協定の事務処理を担う事務組合を設立し、中山間地域等直接支払制度及び多面的機能支払制度の事務を集約化させ、事務経費の節減や作業の効率化に取り組む。

面積 61,096ha(草地)
交付金額 9億1,644万円(個人配分24%、共同取組活動76%)
協定参加者 農業者646人、農地所有適格法人94法人、生産組織7
協定開始 平成12年度
地域の現状
  • 〇当地区は、北海道の東部、根室管内の中央に位置し広大な草地資源を活かした大規模な草地型酪農地帯であり、22集落が平成12年度から本制度を実施。
  • 〇本制度当初から取り組んできたが高齢化による担い手不足により将来に向け農地の維持・管理が困難になることを懸念し、平成17年度から22集落を統合。1集落6支部体制で全町を対象エリアとした広域の集落協定を締結。
  • 〇広域化した集落の事務負担の増大が課題となり、解決方法を検討した結果、平成27年度から集落の事務処理を一手に担う「別海町農業農村振興事務組合」を設立。


別海町の広大な草地風景


別海町集落総会の様子

取組の概要
  • 〇本事務組合の設立に伴い、中山間地域等直接支払制度及び多面的機能支払制度の事務を委託し、両制度の窓口が一本化され、両制度間の調整が容易となったことで事務処理の効率的運用や事務経費の削減に寄与。また、地域に新たな雇用が創出され、地域の活性化に貢献。(新規雇用者4名)
  • 〇さらに、事務経験の豊富な人材を雇用しており、本制度の対象となりうる農用地の再精査をしたことで(有)別海町酪農研修牧場所有農用地を、協定農用地へ編入することにつながり協定農用地の面積拡大に寄与。(協定面積:H2760,111ha→H2861,468ha)
  • 〇本事務組合への事務委託することで、特定の協定参加者が行っていた事務処理が大幅に軽減され、協定農用地を維持管理する活動への意欲の向上に寄与。


事務組合の様子


研修牧場とその農地

地元農産物の生産拡大による地域農業の体制維持

(北海道乙部集落協定)

〇地元農産物の生産拡大を目標に、土壌改良支援や農作業の省力化、農産物の加工に取り組み、将来に向けた地域の農業生産活動を維持できる体制の構築。

面積 88.4ha(田23.1ha、畑65.3ha)
交付金額 426万円(個人配分0%、共同取組活動100%)
協定参加者 農業者14人、農地所有適格法人1法人、その他1
協定開始 平成13年度
地域の現状
  • 〇 当地区は、北海道南部を形成する渡島半島の西部に位置し、乙部岳の裾野に広がる山間地域であり、急傾斜地が多く、河川流域は水田地帯、高台丘陵地帯は畑作地帯である。
  • 〇都市部への人口流出、高齢化進行による担い手不足等により、将来に向け農業の継続が困難になることを懸念し、平成13年度から本制度を実施。
  • 〇土壌改良、地力増進など農業生産の向上を目指した活動や、農業機械の共同利用など農業経営の体質強化に取組む共に、当地区で生産された大豆の加工販売、農村景観保全活動など地域の活性化に向けた活動を実施。


協定農地の様子


環境美化活動の様子

取組の概要
  • 〇当地区では、平成17年度から小粒黒大豆や、ブロッコリーなど栽培しており、本制度を活用し、土壌改良資材や堆肥の散布、緑肥作物の作付け支援により、協定参加者の生産量が維持されている。(生産量大豆H2626t→H2825t、ブロッコリー149t→H28150t)
  • 〇本制度を活用し、大豆選別機や耕うん作業機など導入し、農作業の省力化や労力の軽減に寄与。また、(有)乙部ファーム等が中心となり、耕作者が不在となった農地の集積先になるなど継続的な農業生産体制を確立。
  • 〇富岡たんぽぽ会(婦人会)が中心となって地元産大豆を使用した味噌の製造を行っており、町内のイベント、道の駅や宿泊施設等で販売し高付加価値に取り組む。
  • 〇地域の農村景観を保全することを目的とし、各地域において環境美化活動を実施している。


地場産農産物を使用した味噌


味噌製造工程の様子

集落の統合による広域的な農地の維持・管理

(北海道枝幸町枝幸集落協定)

〇町内2集落が連携して広域の協定を締結し、農作業受託組織の作業エリア拡大や担い手不足解消を柱とした新規就農者等への支援を行い、継続的な農地の有効利用の取り組みを実施。

面積 8,075ha(全て草地)
交付金額 12,313万円(個人配分50%、共同取組活動50%)
協定参加者 農業者115人、農業生産法人8
協定開始 平成12年度
地域の現状
  • 〇当地区は、北海道最北部、宗谷総合振興局管内の最南部に位置し草地主体の酪農専業地帯であり、平成12年度から本制度を実施。
  • 〇本制度当初から取り組みを実施してきたが、TPPによる酪農情勢の不安や、後継者不足及び高齢化による離農などにより、荒廃農地の発生が危惧されたことから、第4期対策から枝幸・歌登の2集落を統合し全町をエリアとした広域の協定を締結。
  • 〇農用地保全活動を行いながら、農作業受託組織のエリア拡大に対する支援、新規就農者の誘致促進、酪農研修生受入体制確立、ヘルパー及びオペレーターの人材確保などを関係機関等と連携し継続的に営農できる体制づくりに努め、鳥獣害対策や農村景観整備など多様な活動を実施。


農道草刈作業


排水路清掃作業

取組の概要
  • 〇本制度活用により、トラクターなど大型農業機械を導入し、コントラクター事業を推進した結果、旧枝幸集落でのコントラクター会社設立に発展し、農作業受託面積の拡大・農作業の効率化に寄与。
  • 〇集落協定の広域化に取り組み、集落統合に伴う農作業受託組織の作業範囲拡大による労働力の軽減や継続的な農業生産体制の構築により高齢農業者も長期営農できる環境が整備されたことに加え、離農跡地を引き受ける担い手が増えたことで、農地集積が図られ荒廃農地の発生防止に寄与。(受託面積:H261,600ha→H282,251ha)
  • 〇担い手確保の活動を、町・JA・普及センター等と連携し、新規就農・ヘルパー・酪農研修の希望者を対象としたセミナーを毎年開催。(H28 新規就農者1名)
  • 〇農業生産向上の活動として、草地整備及び排水改良などを毎年実施し、低生産性農用地の減少に伴い協定農用地の拡大に貢献。(協定面積H268,035ha→H288,075ha)


農作業受託組織による収穫作業


新規就農者誘致促進セミナー

田んぼアートを利用した生産者と消費者の交流

(北海道旭川市東鷹栖集落協定)

〇水田をキャンパスに見立て、稲の葉色の違いを利用し巨大な絵を描くプロジェクト。生産者と消費者の交流や地場農産物の売上げ増、荒廃農地防止対策など地域活性化に取り組む。

面積 477ha(全て田)
交付金額 10,016万円(個人配分50%、共同取組活動50%)
協定参加者 農業者371人、農地所有適格法人4法人その他2
協定開始 平成13年度
地域の現状
  • 〇当地区は、北海道旭川市の北部に位置し、突哨山、鬼斗牛山が連なる鬼斗牛丘陵の等高線の出入りの多い急傾斜面に広がる水田地帯である。
  • 〇高齢化による担い手不足等により、将来に向けた農地の管理や農村集落の維持が困難になることが懸念されるとともに、平地地域と農業生産条件の格差が大きい地域であることから、これを補正するため平成13年度から本制度を実施。
  • 〇共同取組活動として農道・水路の維持管理や無人ヘリコプターによる共同防除オペレーターの育成、上川ライスターミナルの利用料助成による施設利用促進に伴う米の高品質化、ブランド力向上の取り組みを実施。また、マリーゴールドを農道沿いに植栽して農村景観保全活動を実施するなど農業の生産性及び収益の向上や担い手の育成を図り、集落の維持と地域活性化を目的とした活動に取り組んでいる。


協定農用地の様子


田んぼアート

取組の概要
  • 〇地域資源を活用した都市農村交流を目的とし、JAたいせつを中心に行政や土地改良区など地域が一体となり水田に巨大な絵を描く「田んぼアート」を実施。
  • 〇田んぼアートフェスティバルなど生産者と消費者の交流イベントが活発化したことに加え、近隣小学校と連携し本水田での親子田植え体験や周辺の生態系について学ぶ生き物調査を実施するなど、田んぼの持つ多面的な役割など消費者の農業への理解の醸成に寄与。(田植体験・生き物調査参加者:H22年168人→H27年366人)
  • 〇地場農産物のPRを目的とし、田んぼアート隣接地に平成24年度から農産物直売所を開設。「田んぼアート」の知名度向上に伴い地場農産物の売上額が増加し、農業者の所得向上に寄与。(売上額:H22年350千円→H27年2,600千円)
  • 〇「田んぼアート」を実施したことで、周辺農地への農村景観保全の意識が高まり、荒廃農地発生防止に寄与。


たんぼの生き物調査


農産物直売所開設

とんぼの未来・北の里づくり事例研究会

対策ロゴマーク活用事例

ロゴマーク使用にあたってはマニュアルを必ずご確認ください。

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